KOBE MEISTER

パールジュエリークリエイター田居 克己

大正8年生 平成23年没

勤務先:森真珠(株)

真珠を使った装身具のデザインにおいて特に優れている。現皇后陛下御成婚時の第1公式ティアラを手がけるなど、皇室関係のジュエリーデザイナーでもある。

”真珠で輝く光のオブジェ”

 昭和34年の皇太子殿下(現在の天皇陛下)ご成婚時の美智子様の第一公式ティアラ(礼装用宝冠)とネックレスのデザインを担当したのを皮切りに、美智子様が海外にお出かけになる際のネックレスや、各宮家の方々の紋章入りのシガレットケース、現在の皇太后様のアクセサリーなどのデザインを手がけ“ロイヤル・デザイナー”と呼ばれている。
 田居さんのすべての作品に共通していることは、真珠を主要な素材に使用していること。世界でも評価の高い日本の真珠に付加価値をもたらし、普遍性の高いアクセサリーに仕上げる。単なる真珠の加工にとどまらず、田居さんの手にかかれば、一粒の真珠が寄り集まって、きらめく光のオブジェに生まれ変わる。「私の作品は植物をモチーフにしたヨーロッパ調のものが多いですが、オーソドックスなものはいつの時代にも飽きがきません。」おだやかな口調に一分のスキもない身だしなみ。英国紳士とか神戸紳士の表現がこれほどぴったり当てはまる人も少ない。
 昭和17年東京美術学校(現東京芸大)工芸科彫金部を卒業後、応召。復員後の昭和21年、御木本真珠店(現㈱ミキモト)に入社。昭和55年、定年退職と同時に神戸の森真珠㈱に迎えられ、今日に至った。「ジェーリーデザイナーとして大事なことは、自分の描いたデザイン画のイメージを、加工する技術者にどう伝えるかです。曲線のカーブの取り方など数字では表せない永年の経験とカンがモノをいう根気のいる仕事です。」真珠のすばらしさを世に伝えて、女性の夢をふくらませ続ける田居さんだ。

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